美容業界

【実録】違法すぎる業務委託美容室の実態

肩書きこそ健全な会社を装っていても

蓋を開けてみるとそこは経営側の腹黒さに満ちたブラック企業だった

なんて事はよくあると思う。おそらくこれは美容業界に限った話ではないはずだ。

これからあなたにお話しする内容は

私がかつて在籍していた業務委託サロンという名の偽装委託で本当にあった信じられない出来事を暴露していきたいと思う。

ちなみに偽装委託とは何なのかがわからないという方は下記のリンクも合わせて読んでほしいのだが

https://hairmakesoichiro.com/outsourcing-beautician-severe/

とにかく私が実体験したあの出来事は

グレーゾーンではなく完全に違法だ。

実際にあった違法すぎる出来事とは?

大きく分類すると下記の3つに分けられるが

どれも美容師法や税法、不正競争防止法など様々な法律に触れるようなものばかりである。

①無免許の人間が髪を切っていた

私がかつて在籍していた偽装委託サロンの方針として

【どんなに店内が混み合っていようと絶対に予約を断らない】というムチャクチャなやり方をしていたのだが

忙しくて回ってない状況にさらに予約を詰め込むため当然フロアの回転率は非常に悪く、1〜2時間店内でお客様を待たせる事はザラだった。

店内の席数が10席ほどあって、その倍の客数が来店されて長時間待たせる事はよくあったが、本当に来客数が多すぎてとてもじゃないが捌き切れない時もある。

お客様の数に対して美容師の数が全然足らない絶望的な状況だ。

そんな時、そのサロンではどうやって対応していたかと言うと

美容師ではない無免許の人間がお客様のヘアカットに入って営業を回していたのだ。

その人は美容師免許を持っていないどころか、国家試験を受けるために必要な美容学校すら出ていない人間だ。

そう、ズブの素人である。

なぜ素人がヘアカットをする事が出来たのか?

まず、その無免許でヘアカットの施術に入った人間は誰なのかと言うと

その偽装委託サロンの経営に携わる専務というポジションに属する偉い人がやっていたのだが

営業の状況を管理する役割も持っていたため、よく店に顔を出していた。

そして、店内がクソ忙しい時は専務が自らお客様のヘアカットの施術に入るという違法行為を繰り返していたわけだが

なぜ美容師経験の無い素人の専務がそのような事が出来たかというと

手先がめちゃくちゃ器用だったからだ。

その専務はヘアカット以外にも

我々美容師がお客様を掛け持ちしながら施術している際にシャンプーやカラー塗布などのヘルプ業務を『俺が手伝う!』と言い、無理矢理手伝っていた。そのクオリティはともかくとして、とにかく見様見真似で何でも卒なくこなせてしまうくらい器用だったのだ。

ヘアカットも友達を自宅に招いて実験台にし、YouTubeなどを見ながら自力で学習して会得したという。

このように無免許である専務がヘアカラーの塗布に入りシャンプーをして、終いにはヘアカットをしてしまっても

奇跡的にお客様からクレームが来た事は一回も無かったのだが

無免許の美容施術は美容師法違反で50万以下の罰金及び1週間以上の営業停止だ。

当然許される事ではないだろう。

②ライバル視する他会社に工作員を送り込み機密情報を漏洩させていた

ある日の早朝8時頃、都内の某会議室に【講演会】という名目で我々個人事業主である美容師が強制的に呼び出された。

『何のためにこんなことを?』と思いつつ、渋々会場へ足を運んでみると

そこで行われたのは前述した無免許でお客様の施術に入るという違法行為を繰り返している専務が

【美容業界についての未来と会社の経営理念】を約3時間ほどに渡り演説するという内容だった。

その専務は今後我々が働く委託サロンをどのように店舗展開をして事業を拡大させていくかという事を細かく説明して、その後すぐに

同じ業務委託サロンの業界の中でライバル視している有名な某企業についての内部事情を話し始めたのだ。

その内部事情とは

【その会社の1店舗の売り上げがいくら位なのかという話】

【人手が足りなくて営業が成り立たず休業せざるを得ない店舗が続出している状況が続いている】

さらに

【美容院以外にもカフェや焼き鳥屋などの事業を展開しようとしている】

というものだが

それは本来ならばその会社の従業員でなければ知る術がないような機密情報である。

『一体なぜそんな情報を知っているんだろう…』

私はそう疑問に思いつつ、話を聞いていた矢先に

専務はなんと

なぜ私がこのような内部事情を知っているかと言うと、部下をその会社の支店に工作員として送り込み、機密情報の漏洩をさせているからです。

と我々の前で暴露したのだ。

自社の今後の経営戦略のためとは言え

わざわざ自分の部下をライバル企業の支店にスパイとして送り込み内部事情を横流しにするという度を越した卑劣な行為。

これに関してもやはりとても驚いたが

こんな半分ヤクザまがいのような行為が美容業界で行われていると知った時に同時に悲しい気持ちになってしまったのを数年経過した今でもよく覚えている。

③確定申告のための支払い調書の額が全スタッフ1人50万ずつ上乗せされていた

我々は個人事業主の美容師として毎年3月に税金を納めるために確定申告をしなければいけない。

その会社では約2年在籍していたので、その時は2回目の確定申告だったわけだが

自宅に郵送された支払い調書を見てみると

【なんか総支給額が50万くらい増えている…?こんなにもらった覚えは無いが…】

我々が業務で得たギャラは全て日払いで渡される。私は毎日受け取った額を計算していたためすぐ異変に気付き、専務に電話して一体どうゆう事なのかを確認したが

【君の計算がズレているんじゃないかな?もう一度よく計算してみてよ】と突っぱねられた。

当然私はモヤモヤした気持ちになりながら、翌日いつも通り店へ出勤すると

何やらスタッフ数人がものすごく不審そうにザワついていた。

『どうしたのだろうか?』と思い、私はそのスタッフ達に話を聞いてみると

なんと

みんな支払い調書に記載されている総支給額が50万ほど多いという話をしていたのだ。

やはり騙されていたのだ。私の間違いでは無かった。

その当時は全店舗のスタッフ全員で40人程の美容師が在籍していたが、1人50万ずつ上乗せしていたとしたら合計で2000万ほどになる。会社はその額を脱税するつもりだったのだ。

ありえない。

まず、法的に考えてめちゃめちゃ違法だし

もらってもない額を上乗せされた分、我々は税金を納めなければいけないなんてそんな理不尽な事があってはならない事だ。

この件はその会社で働くスタッフ間で瞬く間に大炎上し、【税務署まで通報しに行く】という人間も当然現れたため、経営側もさすがにやばいと思ったのか支払い調書は正しい支給額に訂正されたものを再郵送してきた

そして、しばらくしてその事件が落ち着いた後

【あの嘘の額を記載した支払い調書を作ったのが会社の経理を務める鈴木と名乗る男で、そいつは普段は偽名を使っている。】という噂が広まった。

そして、その鈴木と名乗る男は会社の経理以外にも怪しい仕事をしている説があったため、いわゆるヤクザ屋さんなんじゃないかという噂も同時に広まっていたのだ。

確かに裏社会をかじっている人間であれば支払い調書の額をちょろまかして、あわよくば脱税をしてやろうという発想になるのかもしれない。

もうあんな会社には絶対戻りたくないとつくづく思う。

まとめ

私が在籍していた業務委託サロンで本当にあった違法すぎる出来事とは?

  1. 無免許の素人が堂々とお客様のヘアカットやカラーリング、シャンプーなどの施術に入っていた。
  2. その会社がライバル視している大手業務委託サロンの某支店に工作員を送り込み、機密情報を漏洩させていた。
  3. 美容師が確定申告のために必要な支払い調書を1人50万ずつ上乗せして、脱税を企んでいた。

耳を疑うかもしれないが、今日話した内容は全て本当にあった事だ。

あの店は今でも美容師向けの求人誌やサイトに大きく募集の広告が出ている。

表向きは普通の業務委託サロンにしか見えないが、一歩足を踏み入れると黒い世界が広がっている事に気付く。

私もそこで約2年間働いていて十分思い知らされた。

世の中は自分が思ってた以上に汚いと。

これを読んで頂いている美容師の皆様へ

偽装委託サロンには十分気を付けましょう。

終わり☆