美容業界

【実録】過酷な業務委託サロンで働く美容師の実態

業務委託とは本来フリーランスの美容師が個人事業主として自分の時間を有意義に使い業務を遂行するための非常に融通の効く環境であるはずだが

それとは名ばかりの【偽装委託】と呼ばれる法律を完全に無視したサロンが全国に急増している。

私もかつてはこのようなところに在籍していたが、体力的にも精神的にも本当に過酷だ。

今はもうそのような環境は抜け出して自由に伸び伸びと暮らせているが

正直あのような環境には2度と戻りたくない。

その当時、実際にあった出来事を全て偽りなくお話ししていきたいと思います。

偽装委託の実態とは?

まず、全ての偽装委託サロンに共通する内容として

求人誌に実際のスタッフの労働状況を詳しく書いてしまうと違法性がある事が明らかになってしまうため

【自由出勤制。出勤日、時間など何でもご相談ください】

などと書いてあるが

これは嘘である事が多い。

一度入店してしまうと下記のような現実が待っている。

業務委託なのに完全シフト制である。

業務委託とは誰からの指揮命令を受ける事も無く、ただ個人に与えられた業務を遂行しそれに対しての報酬をもらう事が本来の形であり、出勤に関しても美容師に対して【いつ何時に出勤しろ】などと命令する事は法的に不可能なはずだ。

それなのに偽装委託サロンに関しては毎月の期日までにシフトの提出を義務付けられる。

正直これは意味がわからない。

しかし

基本的に美容師は頭が悪い人が多い。詳しくは下記のリンクにも書いたが

https://hairmakesoichiro.com/beautician-stupid/

法律に関しても当然無知な人が多い。これはその欠点につけこんだ陰湿なやり口だ。

私は過去にこうした肩書き上だけ請負という契約書を書かせる偽装委託サロンに所属していた事があったが

【休日は週に一回まで】と決められていた。

体力的にキツくて休みを増やしてもらおうと交渉すると現場の責任者からLINEで罵られる有り様。

【法律上、これは完全に違法では?】と意見を述べると

【お前の考え方は古い。スタッフ全員でシフトを決めて営業を円滑に回していくのが時代性に沿った業務委託だ】と反論されるだけ。

こんな店は現在も日本国内には腐るほどある。

毎日14時間の拘束をさせられる。

毎月の出勤日の提出に加えて偽装委託サロンでは勤務時間も強制的に決められる。

私が所属していた店では毎日朝9時から23時までフルタイムでの出勤を強制されていた。

1日14時間の拘束時間

土日なんかは休む間も無くぶっ続けで入客するため体力はズタボロになるまで消費させられる。

身体を壊して体調を崩してしまうスタッフは続出したが、私も同じだった。その時は確か2月の1番寒い時期でいつも通りの激務が続いたせいかインフルエンザになってしまったのだが

普通そうなってしまった場合、他のスタッフへの感染を避けるため最低1週間の休みを取る事は常識的に考えて必須だ。

しかし

その店のルールでは【体調不良だろうと何だろうと3日以上の休暇は認めない。従わない場合は即様契約解除とする】というえげつないルールがあったのだ。

【そんなブラック企業はとっとと辞めてしまえばいいだろ】と思うかもしれないが

当時の私は他に収入源が無かった事と、どんなに激務でもどうしても稼がなければいけない理由があったので続けるしかなかった。

私はインフルエンザでも4日目にはもう職場に行ったのだ。

ちなみにこれは私だけにあった珍しい事例では無い。

他にも私のようにどうしても稼がなければいけない訳がある。

または

年齢を重ねた美容師は他に入れるサロンが無く経営者に足元を見られている

このような理由で肩書きは業務委託サロンだが、実態は融通の全く効かない偽装委託サロンで毎日過酷な労働を繰り返している行き場の無い美容師はたくさんいるのだ。

他の美容師のヘルプ業務をさせられる。

業務委託サロンは本来その店で集客したお客様を個人事業主である美容師が施術を請け負い、こなしていくというものであって

店内にいる他の美容師は全く関係無い。

そして関わる必要は無いのだが

偽装委託サロンでは格安の単価であきらかにキャパオーバーの予約を受け入れているため、営業がスムーズに回らない事は多々ある。そんな時にどうするかと言うと

手の空いているスタッフにシャンプーやドライ、カラー塗布などのヘルプ業務をさせるのだ。

これも常識で考えたらあり得ない。

同じ店内で働いていたとしても個人事業主として在籍している以上は他のスタッフは全く関係が無いはず。ヘルプをしたって1円も還元されない。

自分が美容院を経営していたとして自分の店が暇だからって近所の美容院を手伝いに行くのと同じだ。完全におかしい。

偽装委託サロンで働く事を余儀なくされている美容師はこんなふうに無駄な肉体労働を日々課せられているのが現状である。

まとめ

日本国内に蔓延る偽装委託サロンの実態とは?

  1. 個人事業主であるはずなのに毎月期日までにシフトの提出をしなければいけないという経営者の管理下に置かれる。
  2. 業務委託の法律を完全に無視した1日14時間の拘束などを普通に命じてくる。
  3. 店を円滑に回すという理由で手の空いてるスタッフに無償でヘルプ業務を強制させる。

いかがでしょうか?

これではもはや業務委託の労働形態ではない。

労基法を完全に無視したブラック企業の社畜と同じだ。

しかし現実はこんなありえない労働形態の偽装委託サロンが世の中に溢れている。

1日14時間拘束され休みも無く延々と客数をこなしていれば日当にして2万円以上は十分狙っていける。それを週に1回ほどの休日で続けていれば1ヶ月に40〜50万ほどは稼げるのも確かだ。

しかし、そんな激務を続けていく体力を歳老いても維持できるかと言われたら

まず無理だろう。確実に過労死する。

私は偽装委託で使われるだけ使われ将来的に歳を取ったら捨てられてしまう惨めな末路を迎えたくなかったため、業務委託サロン一本でしか生きていけない美容師を卒業した。

もしこの記事を読んでくれている人達の中で行く当ても無く彷徨い、偽装委託で良いように使われている美容師がいたとしたら

今一度自分自身を見つめ直してほしい。あなたにはきっと他にも真っ当な道があるはずだ。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

今日はこの辺で失礼致します☆