美容学生

美容学校を卒業して美容師にならないのはありなのか?

美容学校は美容師になるために入る学校というイメージが強いが

卒業後に美容師として現役でバリバリ活動している人は意外に少ない。

私の通っていた美容学校は全部で7クラスほどあった。夜間部を含めたら倍以上あるだろう。

そして卒業してから10年以上の月日が経ったが、全クラスの内の約半数以下しか美容師の仕事を続けていない。これはおそらくどこの美容学校も同じだろう。

しかし、美容学生は卒業後に必ずしも美容師にならなければ意味が無いのかと聞かれたら

私はそんなこともないと思っている。

美容師の道に進まなくともあなたが活躍できる分野は必ずある。

今日はそこについて詳しく解説していきたいと思います。

美容師以外ではどんな進路が選べるのか?

美容業というのは幅広い。美容師のように髪の毛の施術をする事だけが美容では無い。

女性の美しさは頭だけではなく顔や身体、身なりなどトータル的なもので判断されるだろう。

その中でも自分はどの分野に携わるのが好きかを自分の好みで選んでいくのが良いと私は思っている。

その具体例を以下のように挙げてみた。

ヘアメイクアーティスト

ヘアメイクアーティストの仕事は幅広い。

  1. 結婚式場で花嫁さんのフェイスメイクやヘアセット
  2. 広告や雑誌などのスチール撮影用に起用されたモデルさんの身だしなみを整える
  3. TVやCMなどに出演される芸能人のヘアセットとメイクを楽屋で担当する
  4. 出勤前のキャバクラ嬢やホステスさんの髪型を整える
  5. 成人式や卒業式会場に出張して振袖や袴に合う髪型を作る

これらは全てヘアメイクさんと呼ばれる人達の仕事だ。

一応、美容院で働く美容師の仕事内容にもお客様のヘアセットやメイクに携わる部分は少なからず存在するが需要は極めて少ない。一応その店のメニュー表に【ヘアセット+フルメイク】などと記載があったとしても実践するのはごく稀だろう。美容師はあくまでカットやカラー、パーマなどの施術がメインだ。

そこで、美容学校の授業を通して【ヘアメイクってこんなにも面白いのか!将来はこっちの分野に就いてみたいな】と刺激を受けて美容師の道ではなくヘアメイクアーティストの道を目指す者もいれば

一応美容室に就職してみたものの、【なんか違うな…】と違和感を感じ【もっとクリエイティブな事がしたい】という気持ちに目覚めてヘアメイクの道に転身する人もいる。

この辺に関しては好みが分かれるところなので、どちらを選ぼうと不正解というわけでは無い。

ちなみにヘアメイクの仕事は基本的に美容師のように髪の毛を切ったり染めたりするわけでは無いので美容師免許は必須では無いが

現場によっては美容師免許の提示を求められるところもあるので、ちゃんと美容学校を卒業して美容師免許を取得しておくに越した事は無いだろう。

ネイリスト

これは美容学校を卒業して美容師免許を取得しなくてもなろうと思えばなれるのだが

ネイリストは美容業界でもニーズが非常に多く、トータルビューティーサロンのようにカットやカラー以外にもネイルやマツエクをメニューとして取り入れている美容院ではもちろん需要はあるし

美容師のように1人を施術するのにシャンプー台やセット面、ワゴンなど大掛かりな設備が必要無いため自宅でも開業が可能だ。

そして雑誌やSNS、メディアなどで実力が業界内で認められ知名度を上げる事ができればヘアメイクアーティストのように芸能人のお抱えネイリストになる事だって可能だろう。

今美容業界で伸びしろがあると言われている職種の中の一つにネイリストは含まれているのだ。

ちなみに

ネイリストは男性でもなる事ができる。

実際に私の美容学校時代の先輩でも当初は美容師を目指すために入学したが、ある日のネイルの授業をきっかけにネイリストとしてのやりがいや創造性の高さに憧れを抱き、男性ネイリストとしての道を歩み始めた人がいる。美容学校卒業後は立派にネイル業界に従事し、雑誌に載るなどの活躍もしているそうだ。

男女問わず個々の感性を活かしてネイルの作品を作り、それを商売にしていくというのはそれなりのやりがいがあるという事なのだろう。

アイリスト

いわゆる、お客様にまつ毛エクステまつ毛パーマを施す人達の事だ。

女性にとってアイメイクというのは一般的にはビューラーを使ってまつ毛を上げてマスカラを使用してまつ毛を太く見せるというのが主流だったが、

人工的にまつ毛を植毛したりカールをつけたりする事でこれまで以上にメイクの時間を短縮して目元のボリュームを強調させる事ができるようになったため

世の中の女性から爆発的な人気を誇り、美容業界内での市場規模は急速に増加している。

今後、さらにニーズは増えてアイリストは引く手数多の人材となるだろう。

ちなみに

アイリストは元々美容師免許が無くてもできる仕事だったそうだが、一般人による質の低いサービスや施術が度々トラブルになったそうで2008年に法律で美容師免許の取得が必須になる事が法律で決まったのだ。

本気でアイリストを目指すのであれば、美容学校を卒業して免許を取得する事は大前提となるのだが

美容学校で学べる内容はあくまで美容師になるために必要な技術と知識であるため、その他の授業はイレギュラーに行われるだけだ。アイリストを目指すためにまた別個でスクールや講習会に通う必要性が出てくるだろう。

着付師

着付けの実習の授業は美容学校でも定期的に習う事ができる。

これは当然の事ながら女性だけが就く事ができないが

活躍の場もデパートや着物専門店、結婚式場や美容院、写真館など幅広く、何歳になっても携わる事ができるため安定を求める女性にとっては非常に人気のある職業だ。

これは美容師やアイリストと違って美容師免許の取得は必須では無いが、着付師の中でも実力の階級を示す資格があるため、長くこの分野に従事しようと考えているのであれば、それに応じた検定を取る必要が出てくるだろう。

エステティシャン

これも従事するのに特別な資格などを取る必要性は無く、エステティシャンになるために必要な過程は美容師の専門学校の中でもエステ科という形で存在するため美容師免許を取得するコースで授業を受ける事はまずないが

【自分自身が美容に強く興味を持っていて、その中でも綺麗な肌やスタイルの良い身体を維持したい。そしてそれらをお客様に提供していきたい】と考えているのであれば、転身するのもアリだと思う。

着付師と同じように自分のスキルを証明するために【日本エステティック業協会認定資格】などといった任意団体の資格は存在するため、精進していくためにはそれらを取得するための勉強はどの道必要になってくるだろう。

まとめ

できる事なら美容学校で取得できるのは美容師免許なのでその資格を活かせる職に就くのが一番良いのだが

何しろ美容学校で学べる授業は幅広い。(もちろんその学校によっても差は出るのだが)

そこで自分が何かに刺激を受けて美容師以外の道に興味を持ち、方向転換するのも一つの選択肢だと思うし、それはそれで一つの人生だと私は思う。

これまで例に挙げた美容師以外の美容業を一通り説明したが、技術職はどれも身に付けるまでの道のりがとてもハードだ。

最初は精神的にも体力的にもキツいので中途半端な気持ちで始めてはとてもじゃないが続けられない。

とにかく

好きを仕事にするのが一番継続できる。

在学中でも就職後の日々の中でも

自分が一番興味を持っていてなおかつ心から好きだと思える分野に進む方が後々自分が長続きするだろう。