
過去に私が美容院で担当したお客様から時々、【女性の美容師の方が男性美容師より下手だ】というお声を頂いた事がある。
実際はどうなのかと言うと数字的な部分では指名客数で言うと男性美容師よりも女性美容師の方が圧倒的に人数は多い。必然的に売り上げだって女性美容師の方が高い事は確かだ。
つまり、その意見には何の根拠も無い事にはなるのだが
気になったのでGoogleの関連キーワードというツールを使って【女性美容師 上手】と検索し、調べてみたが

驚いた事に一件もヒットが無い。
これはなぜだろうか?女性美容師にもめちゃくちゃ上手い人は星の数ほどいるのだが…
一方で【女性美容師 下手】と検索してみた結果

見事にヒットした。
私は現役の美容師だが、11年この業界に携わってきて色々な女性美容師を見てきた。
正直言ってその美容師の技術が上手いか下手かなんて男女がどうこうとかは全く関係無い。
人によって違うとしか言いようがない。
しかし、女性美容師が下手と言う人が現れる原因は
実はいくつか心当たりがある。
今日はその辺について詳しく解説していきたいと思います。
女性美容師が下手と言われる理由とは?
繰り返し言うが女性美容師だから下手だという事は絶対に無い。もちろん上手い人だってたくさんいる。
しかし、統計的に見ると下記の3つがなんとなく当てはまるので、おそらくこれが原因なのではないかとも思います。
薬剤施術の知識が浅い

美容業界では男性美容師が理論派、女性美容師が感覚派と言われる事が多い。
男性美容師の方がカラーやパーマ、縮毛矯正など薬剤を使用する施術に関してはマニアックだ。理論化された薬剤知識を研究する事を好きな人が女性美容師よりも圧倒的に多い。これは間違いない。
研究に研究を重ね、他の美容師と差別化を図れるよう日夜努力しているのも事実であり
SNSで最先端の高度なデザインカラーを発信しているのもやはり大体は男性美容師である。
それに対して
女性美容師は感覚派でなんとなく施術している人が多い分、百戦錬磨の経験と知識が要求される薬剤施術に関してはどうしても男性美容師に劣ってしまう部分があるのだろう。(全員が全員そうではないが)
つまり
美容業に対しての熱意がある人が男性美容師の方が多いという事である。
同性の目線で似合わせを決めている

男性美容師は髪型に対しての似合わせを考えるとき、
男性目線の本能で【この人はこうした方が可愛いし似合うだろう】という意識を持って施術しているのだ。これは単純に男女の差であり、女性美容師に100%真似する事は難しい。
そして女性美容師の場合は、あくまで施術しているのは女性だ。【こうした方が似合うし可愛くなる】という感覚もあくまで同性の目線で判断している事になる。
もちろんそこに安心感があるという事で女性美容師に担当してもらう事を希望するお客様もたくさんいるわけだが、逆も然りだ。
女性美容師に施術される事で、【異性にモテたい気持ちを理解してもらえない】という理由から毛嫌いする人も確かにいる。
大人で色気ある雰囲気の女性客が、裏原宿にいそうな全身古着コーデで固めた個性派ガールの美容師に自分の髪の毛を任せるとしたら【自分も個性的な髪型にされてしまうのではないか】と少し不安になるのかもしれない。それならイケメンの男性美容師に自分にとって【ちゃんと異性からモテるような髪型を意識してカットしてもらいたい】と思うのも当然だ。
この違いはつまり、男性美容師も女性美容師も両方いなければ美容業は成り立たないということになるだろう。
パフォーマンス力で劣る

男性の美容師は基本
ナルシスト率が高い。
これは一体どうゆう事か言うと
カット中に見せる手捌きや演出を非常にこだわる。カッコよく見せたい人が多いのだ。
カットの度にハサミをわざと大胆に振り回してみたり、髪の質感を軽くするための小技(スライドカットやエフェクトカットなどと言う)をドヤ顔で披露してみたりと
とにかく男性美容師はパフォーマンスにこだわる傾向が強い。
見る人が見れば無駄な動作なのかもしれないが、一般のお客様にとってはその演出自体が【上手そうな美容師さんでカッコイイ!!】という印象を与える可能性も十分にある。【この人に髪を切ってもらえば自分を素敵に変化させてくれる】という価値を生み出すのだ。
それに対して、女性の美容師というのはそこの部分に関しては割と控えめであり、男性の美容師のように過度な演出をする人というのはまずいない。
仕上がりさえ良ければ何でもいいという考え方のお客様なら特に問題は無いがカット中の美容師のパフォーマンス力も上手さの判定基準に入っているお客様の場合、シンプルに仕事を進める女性美容師では物足りないのかもしれない。
まとめ
女性美容師が下手と言われてしまう原因を3つ推測すると
- カラーやパーマ、縮毛矯正など薬剤を使用する施術に関しては男性美容師の方がマニアックであり、特化している部分がある。
- 男性美容師は【異性としての可愛さ】、女性美容師は【同性としての可愛さ】を基準に髪型を決めるため、お客様によっては求めているものが前者になる可能性も十分にあり得る。
- 男性美容師の方がカット時にいちいち過度な演出をしがちであるが、女性客から見ればそこに【特別な技術で施術をしてもらっている】という価値を感じる場合もあるため、その点女性美容師では少し物足りないのかもしれない。
という事が挙げられる。
いかがでしたか?
しつこいようですが、女性美容師にも上手な人はたくさんいます。
ただ、人の価値観や捉え方はそれぞれ十人十色であり、人間同士である以上好き嫌いというのは必ず出てきます。
これまでお話した内容はあくまで私美容師から見た憶測であり、絶対とは言い切れませんがこうゆう例もあるという事だけでも知っておいてもらえたら幸いです。
今日のお話はここまで!またお会いしましょう!
それでは⭐︎