
夢を持って美容専門学校に入り無事に国家試験をクリアして念願の美容師免許を取得しついに春から新卒アシスタントとしてデビューする。
待ちに待った美容師人生の始まり。それはもう楽しみで仕方なかったんじゃないかなと思う。
私も最初は非常にワクワクしていた。
だが
理想と現実へのギャップは激しく
入社したはいいものの過酷な毎日の繰り返しに耐えられず
悲しいことに多くの若者が美容師を始めて一年以内に辞めてしまっているのが現状だ。
私も二十歳から美容師を始めてそこから約5年間はアシスタントとしてもがいていたため辛くて辞めてしまう若者の気持ちはすごく良く分かる。現に私も何回も辞めようとした。
だからこそ
この現状はすごく悲しい。
あなたも今まさに【毎日がしんどくて辛い。もう辞めてしまいたい】と思っているのではないだろうか?
正直辞めてしまうのは簡単だ。今の苦しみからはすぐに抜け出せるだろう。
しかし、まだ早まらないでほしい。
せっかく美容専門学校を卒業して晴れて美容師になったのに
今全てを投げ出してしまっては正直ちょっともったいなさすぎる。
私は業界歴12年目の現役美容師だ。もちろんあなたの気持ちも良く分かる。
だから
せめてこれから話す私の話を最後まで聞いてから
行動に移して欲しい。
目次
なぜ辞めたくなってしまうのか?その原因と解決策について
まずあなたが辞めたいと思っている理由だが、大体は下記の三つの内容なんじゃないかなと思う(もし違かったら申し訳ない)
ただ、それらに関しては私の方でも提案できる解決策はあるので一先ず話を聞いてもらいたい。
仕事が激務

あなたが働いているサロンの休みは週にどれくらいあるのだろうか?
これは本当にばらつきがあると思う。週に一回のところもあれば週に二回。またはそれはあくまで肩書きだけで実際は撮影や講習会、モデルハントなどの外部活動によって月のほとんどが返上されてしまっている人だってもちろんいるだろう。
それ以前に
- 毎日の勤務が長過ぎる。
- 休憩時間がほとんど無い。
- シャンプーや雑用などにより手荒れが悪化し過ぎている。
など
体力や健康の問題で今後美容師を続けていけるかどうかが心配になっている人もいると思う。
もちろん私も同じような境遇は味わった経験があるから気持ちはわかるのだが
そんな時は思い切って働く店を変えてしまってもいいと思う。
だって答えは2通りしか無い。
お店があなたの健康や体力に合わせて方針を変えてくれる事は無いのだから、自分が環境を変えてしまうか
それでも必死に食らいついて我慢して続けるか
どちらかしか無い。
あなたに必要なのは前者だと思う。
せっかく高いお金を払って2年間という貴重な期間を美容専門学校に費やしてきたのだから
美容師そのものを辞めてしまっては今までやってきた事が全て無駄になってしまう。
それなら少しでもあなたが楽に働ける環境を選んだ方が100倍良い。
場所を選ばなければ毎日19時くらいには店を閉めて時間通りきっかり終了し休憩時間もちゃんと1時間確保してくれるサロンや
ドライカットがメインの店でシャンプー業務がほとんど無いところなど
働きやすい店なんか探せばいくらでもある。
空いた時間に色々と次の環境を探してみるのも一つの手だろう。
職場の人間関係が悪い

これも辞めたくなる原因の代表的な例の一つだと思う。
- 職場環境が常にギスギスしている。
- スタッフ間で派閥がある。
- 意地悪な先輩がいて、その人と過ごしている時間が辛い。
人間関係の具体例を挙げると大体こんなところだろうか。
③はもしもあなたがそれなりに理不尽な理由で意地悪をされているとしたら第三者に相談する事で解決するのかもしれないが、実際にそれが難しいからこの記事を読んでくれているのだと思う。
しかし①と②に関しては、確実にあなたに責任があるのではなく、オーナーや店長のサロンの雰囲気作りに問題があるわけだから手の打ちようがない。
したがって
その店はさっさと辞めてしまっていい。
毎日毎日嫌味を言われたり意地悪をされたりしているのを堪えて無理に職場へ行く事なんて、側から見たらいじめを我慢して無理して学校へ行っている子供と同じだ。
女性というのは非常に繊細だ。ストレスを抱えて毎日を無理に過ごしていればいつかきっとホルモンバランスを乱して体調を崩してしまう。その結果、人によっては抜け毛や薄毛のリスクだって発生しかねない。
人間関係が辛くて職場を変えるというのは正当な理由だ。
美容師そのものを辞めてしまう前に、まずは新しい環境を見つけてほしい。
収入が低い

新卒アシスタントの給与の相場は大体わかる。
おそらく手取り13〜15万くらいだろう。
私は約5年間この位の給料で何とか生きてきた(実際には時々仕送りをもらったりはしていたが)
しかし
こんな安い給料ではどうにもこうにもやっていけない人だってもちろんいると思う。
それをわかっていて美容師になっているとは言え、実際に経験してみなければわからない事だって多々ある。
そして、アシスタントからスタイリストに上がる時が大体給与的にも大きく変化がある時だとは思うが、そこまで辿り着くまでの道のりは険しく長い。
もしも今、あなたは収入がネックで仕事を継続していくのをためらっているのであれば
こっそりバイトをしてしまった方がいい。
今時、隙間時間を利用して働けるバイトなんていくらでもある。
あなたが現時点でシャンプーの技術を習得しているなら、それを生かしてシャンプーだけをやってくれるバイトさんを探している派遣会社だってあるし
若い女子という特権を活かしてガールズバーやキャバクラでバイトをするのも全然アリだ。
あなたのサロンで副業が禁止されていたとしても、生きていくために陰ながら働く事は決して悪い事ではない。
あなたが【これからも出来れば美容師を続けていきたい。しかし、金が無くてどうにもならない。】と考えているのであれば
生きていくためにこっそり副業を始める事は当然だしむしろ正義である。
それでも辞めたいと思っているあなたへ私から言っておきたい事
自分をよく知る身近な人に相談する

これまで私は【美容師を辞めたくなってしまうおおよその原因】をまとめて同時に解決法も合わせて提案したつもりだが
どれもイマイチ…という方は
一度美容師から離れてみるのも良いと思う。
あなたはまだまだ若い。これから先の人生の選択肢なんていくらでもある。美容師一本にこだわらなくたって幸せになる道は必ずある。
だが
自分1人で決断してしまう前に必ず誰かに相談してからにした方が良いだろう。
物事の捉え方は人それぞれに違うし、他人に相談する事で自分とは違う視点からアドバイスをくれる事もある。
親族でも友人でも学生時代の先生でも
必ず自分の事をよく知ってる人に意見を聞いてから本当に辞めてしまうべきかどうかを決めた方が良い。
それによって、あなたの気持ちはもしかしたら変わるかもしれないのだから。
転職してしまう

最終的にあなたが美容師を辞めるという決断を取ったとしよう。
そうなったら後はもう自由だ。どこへ行き、何をしようとあなたの好きなように生きればいい。
しかし、最後に私から個人的に一つだけ提案させてほしい。
美容師じゃなくて、ヘアメイクさんを目指してみるのはいかがだろうか?
ヘアメイクというとテレビやCM、広告のスチール撮影などに起用されるモデルさんのヘアとメイクを担当する事というイメージがあるかもしれないが
私の言うヘアメイクとは
キャバクラで出勤前のキャストさんの頭をセットするヘアメイクの事だ。いわゆるナイトセットである。
それは目指すなんて行っても美容師と違ってデビューまでに何年もかかるようなものでは無い。早ければ3ヶ月くらいでもできてしまうだろう。
仕事内容はひたすらキャストさんの髪を巻いたりアップにしたりしてセットをしていくだけなんだが
そこでもしかしたら美容業の楽しさを再確認出来るかもしれない。(私も実際に美容師を辞めようと考えていた時にそれがきっかけで継続できた)
だから是非完全なる他業種に転職してしまう前に
ヘアメイクの仕事も視野に入れておいてもらいたいと思う。
まとめ
長々と語ってしまい、申し訳ない。
もう少しだけ語らせてほしい。
正直私もアシスタントの頃に色々なサロンで働いていたが、どこへ行っても嫌で嫌で仕方なくて転々としていた時期もあったのだが
それでも行く先々で地道にスキルを身につけて何とかスタイリストまで上がることができている。
だからあなたも今の環境がシンドくて辛いならいっその事辞めてしまうのもアリだが
転々としていたって技術職は手を動かしていれば嫌でも勝手に身に付く。いつかは絶対スタイリストになって気楽に美容師ができる日が来るのだ。
だから
自分の我慢できる範囲内で、美容師という仕事を楽しく続けていけたらそれが一番良いと思う。
そうしたら
将来的に【あの時辞めなくて良かった】と思える日が絶対に来る。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
この辺で失礼致します。