
こんにちは!そーいちろーです!
自分は明るい髪色が好きだけど仕事や就活の都合など、やむをえない理由で仕方なく自分で黒染めをしてしまった。
しかし今は状況が変わってまた髪を明るくしようと思っている。
だけど
【自分で黒染めをしてしまったから明るくできるのかどうかわからなくて心配】
【ブリーチは傷むからしたくない。】
【せっかく美容院に行って断られちゃったらどうしよう。】
あなたは今まさにこのように考えていませんか?
私現役の美容師として先に結論からお伝えしましょう。
【不可能ではありません】
出来なくもないです。ただ、その黒染めした黒髪が今現在どのような状態なのかによって結果が大きく変わってくる事だけは事前に頭の片隅に入れておいてほしいという事。
今日はその辺についての詳しいお話と実際の検証結果を同時にお伝えしていきたいと思います。
目次
なぜ黒染めすると明るくなりにくくなるのか?

写真は黒髪のトーン別のスケールです。
人の地毛の明るさ、つまり自然な黒髪のトーンは大体4トーンくらいと言われていますが、これがヘアカラー剤によって人為的に染められた4トーン以下の染料を一般的に黒染めと呼ばれています。これらは通常のヘアカラー剤によって明るくする事は困難です。
なぜか?
ヘアカラー剤は地毛のメラニン色素を分解する事ができるが、染毛された暗い色素を明るくする力は無いからです。

なので厳密に言うと黒染めではなくとも6トーンくらいの濃いダークブラウンも通常のヘアカラー剤で急激に明るくする事は難しいです。
しかし私美容師歴11年の経験上、黒染めをしてある程度の月日が経過し褪色具合が多少見られるようになった時であれば、通常のヘアカラー剤の最高レベルに明るい色(業界ではライトナーと呼ばれる)を使用する事で、6〜7トーンくらいのナチュラルブラウンまで明るくする事が可能ですが、
1つだけ問題があります。
黒染めした状態から髪を明るくする場合、色味は選べない。

黒の色素が入ってしまっている以上、まずは明度を上げる事が最優先になるので
例えば【明るくしつつアッシュ系の色味を入れたい】というようなオーダーをされても実現出来ません。
それはなぜか?
前述したライトナーという明るさだけを上げるためのカラー剤には色味が入ってないからです。色味が濃く入っているカラー剤であればあるほど明度を上げる力が弱いため、それを使用してしまうと毛髪内部に残留した黒染めの色素に薬剤のパワーが勝てず、結果的に黒染めした髪の毛を明るくする事は出来ません。
というわけで、黒染めした髪を明るくする場合にはとにかくまずは明るさを上げる事だけを最優先にしましょう。好きな色味を入れたりするのは後回しにするべきです。
ちなみにライトナーのような明るさだけを上げるカラー剤を使用した場合、日本人の場合仕上がりの髪色に多少の赤みが残ります。
この理由として東洋人の持っている髪の性質が赤み寄りという事が挙げられますが、本来のヘアカラー施術ではこの赤みを打ち消すマット系やアッシュ系の色を加える事で解消出来ます。
しかし、今回のケースは
あくまで黒染めした髪をなんとか明るくするという非常に厄介な施術です。
仕上がりに多少の赤みが出てしまっても我慢しましょう。
一時的に黒染めしなければいけないが、すぐにまた明るくしたい。最良の方法はあるのか?
日頃から常時明るい髪色で過ごしている方によくあるケースの一時的に髪を暗くしなければいけない時の対処法です。
焦って黒染めをしてしまっては修正が非常に大変でせっかく今までカラーリングを繰り返してきて明るい髪色のベースを作ってきても台無しになってしまいます。
暗くても時間が経過すると抜けてくるカラーにしてもらうと良いでしょう。
黒染めではなく黒に見えるダークトーンに染める

上記の写真は以前にブリーチの履歴があり、そこから黒染めではないけど限りなく黒に近いダークトーンをご希望のお客様をカラーリングした写真。
実際に使用した色も黒染めに使われる4トーン以下のブラウンではなく、5レベルの濃厚なブルーアッシュ。
青みの強いアッシュは寒色系の色味であるため、明度が低ければ低いほど色が深く沈みこみ黒く見せられる特性があります。もちろん黒染めとは違い1〜2ヶ月の間に抜け落ちて元の明るさに戻ってしまうので、一時的に黒くしなければいけない人におすすめのカラーです。
美容院でカラーのオーダーをする際に「ものすごく濃いアッシュで黒っぽくしてください」とオーダーしましょう。
もう既に黒染めをしてしまっていたら?
美容師が実際に現在の褪色具合を見て、少しでも明るくできる場合も可能性としてはもちろんあります。
可能性はゼロではありません。担当の美容師の技量によっても変わりますが、出来ない事はないのでよく相談してもらってから施術を受けるべきです。
そして今回、私が働いている美容院で黒染めをされてるお客様がご来店し再度明るくしたいとのご要望があったため
実際にブリーチ剤を使わずして明るくしました。
実際の仕上がりの写真と工程を公開していきます。
黒染め履歴のある髪を実際にヘアカラー剤で染めてみた。
こちらが実際に来店されたお客様の施術前の状態。

就活のため半年以上前に黒染めをしていてさらに毛先には縮毛矯正をかけた履歴もあるという中々の難関。
しかしうっすらとですが毛先の黒染め部分が褪色し透け感が出てきているので
このような状態からであれば明るくできる余地は十分にあると見ました。

そして私の推測上、写真の【7】くらいまでの明るさ、およそ7トーンくらいまでであれば明度を上げられると判断がついたため
明るくなるためのパワーが強めの薬剤を塗布し
放置タイムへ入ります。


今回の黒染めした髪を明るくする場合にに限らず
トーンアップの時や明るめのカラーリングにしてもらう時は
薬剤の作用の関係上、髪の毛が傷みやすいです。
必ずアフターケアのトリートメントをされる事をオススメします!
仕上がりの写真を見ていきましょう。

このような状態になりました。
逆光でちょっとわかりにくいので場所を変えてもう一枚

全体的に大体7トーンくらいのナチュラルブラウンにトーンアップ出来たのがはっきりとわかるかと思います。
想定していた通り若干の赤みは残りましたが、
根元から毛先に向けて綺麗に明るくなりましたね。
黒染めした髪をブリーチ無しで明るくする方法のまとめ
- 黒染めをしていたとしても現状の残留した色素の状態によっては明るくする事も可能。
- 黒染めして日数がしばらく経過してる状態からの方が綺麗に明るくできる。そして黒染めしたての場合は毛先より根本の方が多少明るくなってしまう場合がある。
- 黒の色素を明るくすると絶対的に赤みが出てしまうので例えばアッシュ系など、好きな色味にはできない。明るさを上げる事が最優先になるため色は選べない。
- パワーの強い薬剤を使用するため、アフターケアをしっかりやる必要がある。
- 色の明るくなり具合を様子見で進めていくので、時間がかかる。
いかがでしたか?
このように黒染め履歴のあるカラーを修正するのはとても大変であって
正直なところ、できればやらない方が色ムラを避けるという点では無難です。
担当の美容師とよく相談してから計画的に施術を進めていきましょう。
今日のお話は以上です!
それではまたお会いしましょう!